「安定期に入るまで、妊娠してるって言えない・・・」実は報告できない状況が妊婦初期のマイナートラブルの負担を増幅しているかもしれません。そこで、今日は妊娠初期を快適に過ごすために、どうすればいいのか一緒に考えていきたいと思います。
つわりは50〜80%の妊婦さんが経験すると報告されています。(日本産婦人科学会 1988年)。いろんな不調が出てきていると思いますが、日常生活上の苦労・困難さを感じるものと、我慢できるものがあるのではないでしょうか。特に辛いという先輩ママの割合の多いマイナートラブルが次の5つです※。
1位:吐き気(50.6%)
2位:嘔吐(45.8%)
3位:下半身のむくみ(37.5%)
4位:においに対する過敏反応(36.4%)
5位:眠りにつきにくい、入眠困難(35.0%)
※参考:佐久大学看護研究雑誌 2016年 中田覚子氏
そして何より辛いのは、つわりであると言えないことなのではないでしょうか。筆者の妻は、妊娠検査薬で陽性反応が出ても、産婦人科でちゃんと着床し、赤ちゃんの心拍があるまでは親戚にも言いづらい様子でした。特に関係が遠い方だと安定期になるまでは報告しない方が一般的です。そうなると、その期間のつわりとどう戦うのかが問題になります。
そのままの対策ではありますが、頼れる人には頼りましょう。もちろん、安定期の妊娠12週目くらいまでは切迫流産や染色体異常などにより、15〜20%は流産のリスクがあります。流産した場合、その報告する必要もあるので、精神的には確かに辛いです。ですが、宿った命はみんなで育むもの。一人で抱え込まず、周りの協力を求めながら共同養育してもらえる環境を両親自身で作っていくことも大切だと感じています。
色んな人がいるので100%サポートを期待するのは難しいですが、妊娠初期の症状に理解をしてもらえます。理由がわかると周りも必要なサポートをしやすくなります。万が一、マタニティハラスメントを受けた場合は赤ちゃんのためにも、上司や公的な機関へ訴えてください。「改正男女雇用機会均等法及び改正育児 ・ 介護休業法」で平成 29 年1月1日以降は守られています。
つわりは複数の要因が複合的に影響してることが分かっています。(Lacroix et al,2000;立山, 2002;king et al,2009)中でも、ホルモン分泌(プロゲステロンやエストロゲン)が原因で消化管の運動が低下し、つわりを発症している妊婦さんが多いです。(村田,2011)
小腸や大腸の運動が落ちるとなぜ、つわりになるのでしょう。神経の働きが関係しています。実は消化管の運動が低下すると、交感神経が強く働くようになります。この刺激が嘔吐中枢を刺激していることが2003年の鈴木氏の研究で報告されています。そこで、交感神経が優位にならないように副交感神経を優位にすることでつわりを軽減することが2010年の岩國氏の研究でわかりました。
副交感神経を整えるには姿勢を改善し、呼吸を整えることが不可欠です。ですが、つわりの症状の出方は様々ですので、自分にあった方法を模索することが重要です。筆者の妻はちょこちょこおにぎりを食べたり、臭いの少ない素麺やうどんを食べたり、安産ベルトを巻いたり、体の声を聴きながらつわり対策を行なっています。栄養士ではありますが、つわり期間は栄養バランスは一旦置いておいて、とにかく「食べられるものを食べる」ということを意識していました。
整形外科の分野においても骨盤ベルトを使用することで、腰痛が軽減すると報告されています。(Ostgaardら, 1994)
腹帯や骨盤ベルトを使うことで様々なメリットが得られます。多数の研究結果からまず、骨盤周囲径が減少し骨盤矯正されています。そして、姿勢を維持するための脊柱起立筋(板状筋・腸肋筋・最長筋・棘筋・多裂筋・回旋筋など)への負担も軽減されます。多裂筋(たれつきん)は背骨(脊柱)と腰骨(仙骨)に付着しているため、骨盤ベルトにより骨盤支持を行うことでこれらの筋肉に影響すると考えられています。腰痛や腰回りの不快症状が軽減され、日常生活にも好影響が与えられます。
腹式呼吸によって、副交感神経に影響を与えます。また、β エンドルフィンが分泌され、リラックスしやすくなるので、つわり軽減が目指せます。
Step1仰向けになって、膝を立てる
Step2足を左右対称にぴったり合わせ、膝の高さも揃える
Step3脚の内側ギュッとしめ、つま先をあげる
※ポイント:お腹を手で軽く押す。
Step4かかとで床を押し、お腹を引っ込める
Step5腰を支点にお尻を1cm上げドローイン
※注意:腰は絶対に床から浮かさないこと。
Step6鼻で息を吸いながら腹式呼吸も忘れずに
ドローインにより内臓下垂の改善が目指せます。
施術してもらっても、すぐに戻る歪みは自分で整えることが重要です。
How to be happy
~産後うつ状態から前向きに育児できるように~
産婦人科医 池川クリニック院長
池川 明 先生
帝京大学医学部卒。大学院修了。医学博士。
1989年横浜市に産婦人科の池川クリニックを開設。
2001年9月、全国の保険医で構成する保団連医療研究集会で『胎内記憶』について発表し、それが新聞で紹介され話題となる。現在、胎内記憶を世界に広める活動をしている。
『プラスムーブは縛るのに解放されるし、なぜかハッピーになれちゃう面白い方法です。全身にベルトを巻くってのが面倒臭くて、ネックではあるんですが、そんなのは結果を体感したらむしろやりたいに変わります。自分で答えを引き出せる事が何より良いです。』
Happy Woman @ クレオ大阪子育て館
産婦人科医 池川明先生と代表理事 中田智子のコラボ対談
「子育てが前向きになった。子どもとの接し方が変わった」と喜ばれている安産ベルト™️ですが、喜びが循環する形になっています。安産ベルトを1本ご購入されますと、NPO法人 日本こども支援協会に100円が寄付される仕組みとなっています。寄付金は子どもたちの人生を救うため、里親制度の啓発・支援・虐待防止に活用されます。『ママの幸せは家族の幸せ』日本姿勢予防医学協会は親も子どもも心と体が笑顔になれる社会を創ります。
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