産後の尿漏れ、3つの解決策

「産後1年経っても尿もれ」
「クシャミをすると・・・」
「尿漏れはいつまで続くの？」

実は産後の30~40%の女性が尿漏れに悩んでいます。 出産直後からの尿もれ対策が重要です。 根本原因にアプローチするための、解決策をご紹介します。

＊参考：産後１ヵ月の女性の骨盤底筋力の実態および分娩に関する要因との関連性の検討　筑波大学　安宅ら 看護理工学会誌2020 日本泌尿器科学会HP

原因１　骨盤底筋（こつばんていきん）の損傷

尿道を締める力が低下！？

骨盤の底部分にハンモック状の筋肉（骨盤底筋）があります。臓器を支えたり、 尿道を締めたり緩めたりするのにも役立っています。この筋肉が妊娠や分娩により損傷を受けて、機能が低下し、尿漏れに影響しています。

骨盤底筋の収縮力が低下

排尿を我慢するように肛門と膣を締めたときにかかる収縮力を骨盤底筋力と言います。筑波大学の安宅氏によると、尿漏れの人ほど骨盤底筋力が小さいようです。 特に妊娠前から尿漏れ傾向にあった人は骨盤底筋力が弱い傾向があることがわかっています。

また、骨盤底筋力は出産経験数が多いほど低下することが過去の研究でわかっています。 なので、経産婦さんの方が尿もれしやすい！

原因２　お腹に力がかかる

腹圧性尿失禁タイプ

妊娠中はお腹の重み、クシャミ、咳などの腹圧で尿もれに… これは腹圧性尿失禁と呼ばれる尿漏れのタイプ。

さらに、原因❶で骨盤底筋が弱った状態だと尿道の締めが甘く、より尿漏れしやすくなります。

原因３　膀胱が勝手に収縮

切迫性尿失禁タイプ

子宮脱や骨盤臓器脱が原因で膀胱が勝手に収縮し、尿漏れします… これは切迫性尿失禁タイプの可能性があります。子宮脱や骨盤臓器脱は骨盤底筋の損傷が関係しているので、やはり重要になるのが骨盤底筋の改善です。

いつ治るのか？

産後10週が目安

骨盤底筋の収縮力は10週程度で妊娠中と同程度まで回復すると報告されています。

産後1年以上治らない場合

産後1年以上経っても尿漏れが治らないと悩む女性も多いです。 産後1年経っても治らないのは、骨盤底筋力が低下した筋力不足かもしれません。

解決策１：産褥期（〜８週）は横になる

まずは骨盤底筋を回復

出産後すぐはとにかく寝ること。 授乳以外はとにかく安静。 骨盤底筋だけでなく、子宮や腹直筋の回復のためにも重要です。

動くなと言われても・・・

とはいえ、上の子がいたり、頼る人が身近にいなかったり、現代の生活では動かないわけにはいかないこともあるのが事実です。 そこで、助けになるのが次の解決策。

解決策２：損傷した筋肉をサポート

骨盤ベルトが筋肉の代わりに

損傷した筋肉の代わりをしてくれるのが、骨盤ベルトです。コスパを考えるとサラシが一番です。

骨盤底筋力のアップはしませんが、新たな損傷を生まないために有効です。骨盤周りの歪みの矯正や腰痛予防にも役立つのでおすすめです。

ただ巻くだけでは意味がない

歪んだ状態を固定したらどうなるでしょう？ これが、ただ骨盤ベルトを巻くだけでは悩みが解決しない理由です。

まず、正しい状態に体を整えてから巻くことで結果が変わってきます。 そのため、安産ベルトでは正しい状態に体を整える方法を説明書や動画でお伝えしています。

解決策３：骨盤底筋を鍛える

全身整える3つの秘訣

１ヶ月検診で特に問題がなければ、骨盤底筋体操を始めましょう。まだ骨盤はグラグラした感覚かもしれませんが、産婦人科で習った骨盤底筋体操を実践してみてください。

より正確に体を整えたい方は、プラスムーブの寝るだけエクササイズを動画で紹介しますので、ご活用ください。

プラスムーブの寝るだけエクササイズ

Step1仰向けになって、膝を立てる

Step2足を左右対称にぴったり合わせ、膝の高さも揃える

Step3脚の内側ギュッとしめ、つま先をあげる

※ポイント：お腹を手で軽く押す。

Step4かかとで床を押し、お腹を引っ込める

Step5腰を支点にお尻を1cm上げドローイン

※注意：腰は絶対に床から浮かさないこと。

Step6鼻で息を吸いながら腹式呼吸も忘れずに

ドローインにより産後のぽっこりお腹の改善も目指せます。
施術してもらっても、すぐに戻る歪みは自分で整えることが重要です。